2022年7月29日(最終更新 2022年11月7日)

株式会社イシダテック

代表取締役社長 石田 尚

1.はじめに

当社は1948年3月に個人創業して以来、食品・医薬品・省力化機械の設計から製造に携わってまいりました。『生産現場に「秘密兵器」をお届けし、お客様の成長に貢献する』を当社のミッションに掲げ、完全オーダーメイドで省力化機械の企画・設計・製造を行っております。100人のお客様がいたら100種類の生産システムがあると考え、お客様と共に汗をかき、お客様それぞれが抱く思いに独創的な発想を重ね、ユニークさを強みにした製品を多数世に送り出してきました。

昨今のテクノロジーの進化やデジタル化、また、コロナ禍によるリモートワークの促進、業務プロセス変化をはじめ外部環境やエコシステム内の変化は著しく、社内に目を向けても、働き方の多様化や効率性・生産性の観点から、業務の見直しを迫られることも多々あります。

こういった状況を踏まえ、当社では、これまで積み上げてきた当社の強みにデジタル技術を掛け合わせることで、従来とは異なる水準での価値提供が可能になると考え、以下のDX戦略を策定しました。今後、DX施策を強力に推進してまいります。

2.DX戦略

①サービスの拡充

既存のメカニカルな食品製造/加工にかかわる装置(ハード)と、AI技術(ソフト)を融合させることで、お客様の課題解決のために提供可能なサービスの幅を広げます。また、AIソフトウェアを自社開発することで、機動力/柔軟性を担保します。

すでに、大学との共同研究で実務的に製造現場で利用可能なAIを開発しております。今後は、オペレーション考慮型の教師なしAIの開発や食品製造業/アグリテック分野でのAI社会実装の促進に取り組んでまいります。

②業務オペレーション効率・品質の向上

デジタイゼーション(アナログデータをデジタルデータに置換)とデジタライゼーション(プロジェクト管理情報をシステムで一元管理)を推進します。また、業務データの管理と結合を容易にし、ナレッジとして蓄積/活用してまいります。

すでにグループウェアやプロジェクト管理ツールを導入し、業務オペレーションの効率化を図っております。今後は、更なる業務オペレーションの効率化や業務ナレッジの多世代間移行/深化に取り組んでまいります。

③インサイト・サービス開発の促進

稼働状況やお客様の製品画像群を含む取得データのリモート監視や記録、また保管と活用を通じて、インサイトを取得し、取得したインサイトを利用して、お客様の製造プロセスにインパクトのあるサービスを開発/提案します。

すでに、海外の離島にある水産関連会社へ設備/リモート監視を導入しており、インサイトを取得しております。今後は、製造ラインの改善提案のサービス化や保守/点検/部品交換のシームレス化に取り組んでまいります。

3.DX推進体制および環境整備

DX推進体制としては、社長直轄の事業推進室を中心に設計・製造部署とも連携して①および③を推進しており、社長をトップとした社内IT検討チームを中心に②を推進しております。

人材育成については、社内ノウハウの蓄積・共有を目的として、社内Wikiを作成し、社内IT検討チームを中心にシステム化の推進および導入したシステムの積極的な活用を促進しております。人材確保については、AI等のデジタル技術エンジニアの採用のため、新卒者向けにはインターンシップの受け入れを実施し、中途採用も継続して実施しております。また、AIに関しては大学との共同研究も継続しております。

環境整備としては、まずは①~③に共通して社内ネットワークインフラやWi-Fi環境の整備をすすめました。従来と比較して、参照性/可用性/冗長性のすべてが向上しました。①および③については、AI開発環境やリモート監視環境の整備をすすめ、②については、3DCADやグループウェアを導入し効率化を図り、また、プロジェクト管理ツールも導入しナレッジの蓄積/活用に取り組んでおります。

4.達成度を測る指標

DX 戦略について、①および③は企業収益(売上高)の増加に寄与し、②は販売管理費の削減に寄与するため、最終的には営業利益の向上をもって DX 戦略の全社的な達成度の指標とします。また、①および③は既存の製品・サービスに新たな価値を付加するものであり、新規事業的側面もある事から、企業収益(売上高)だけではなく、案件獲得数も達成度を測る指標とします。なお、営業利益・案件獲得数等の情報については非公開となりますが、社内定期会議において進捗が管理されます。

以上

取り組み内容の具体例

上述したDX戦略実現、および人材確保に向けた取り組み事例は、メディアプラットフォーム「note」にて公開を行っております。

下記リンクよりご覧ください。

DX戦略実現に向けた取り組み内容

デジタル技術エンジニアの採用例

筑波大学との共同研究による開発事例