装置の開発・発注の背景

導入

縦ピロー包装のシール検査は、高速包装ラインの中でも人の目に依存しやすい工程です。
約60袋/分で流れる製品の上端・下端シールを連続して確認する作業負荷は非常に高く、短時間交代制を取っている現場も数多くあります。それでも、作業負荷の高さや判断のばらつきから、内容物の噛み込みシワなどを見逃すリスクが残ります。

概要

本ソリューションは、縦ピロー包装機の後段に設置し、搬送中の製品の上端・下端の横シール部を連続撮像する検査システムです。
画像処理やAIを用いて、次のような外観上の異常を判定します。

・シール部への内容物の噛み込み
・フィルムシワ、重なり
・シール位置や幅のずれ
・シール面への異物や内容物の付着
・カット位置や包装状態の異常

ソフトウェアのみではなく、対象製品・現場の状況に応じた撮像環境の構築まで行います。ご要望に応じて、搬送機構、NG品の排斥機構まで一体で設計します。

イシダテックでは、大手食品メーカー向けキャンディーチーズ包装検査を契機に画像認識AIの開発に取り組み、高速撮像、画像判定、搬送・排斥を組み合わせた食品検査装置の知見を蓄積してきました。 AI判定だけでなく、非定形ワークの搬送や排斥まで含めて実生産ラインへ実装できることが強みです。

装置の能力

約60袋/分を想定 (上下計120か所/分)
*NG品排斥、判定画像保存、履歴管理、包装機との信号連携が可能

※実際の対応速度や検出可能な不良は、袋寸法、製品形状、フィルム材質、印刷、搬送間隔、不良の状態によって異なります。実製品による事前検証後に仕様を決定します。
※本ソリューションは、シール部の外観に現れる異常を検査するものです。シール強度、微細なピンホール、密封性そのものの保証には、別方式の検査を組み合わせる必要があります。

詳細

  1. 高速ラインに対応した連続検査
    約60袋/分で流れる縦ピロー包装品を想定し、包装機の生産能力を阻害しない検査工程を設計します。
  2. 上下シール部を安定して撮像
    縦ピロー包装品は、袋の膨らみ、内容物の偏り、フィルムの反射などにより、シール部の見え方が変化します。
    製品に適したカメラ位置、照明条件、搬送ガイドを設計し、上端・下端のシール部を安定して撮像できる環境を構築します。
  3. 画像処理とAIを使い分け
    寸法や位置など、基準を数値化しやすい項目には画像処理を使用し、形状や見え方にばらつきがある異常にはAI判定を適用できます。 検査対象に応じて判定方法を使い分けることで、検出精度と過検出のバランスを調整します。
  4. 多品種・複数サイズに対応
    同じラインで複数の袋サイズや製品を生産する場合、品種ごとの撮像条件や判定基準をレシピとして登録できます。
    品種切替時の設定作業を簡素化し、製品ごとに安定した検査を行えるUIを提供します。
  5. 判定後の排斥・記録まで一体化
    NG判定後の警報だけでなく、ラインからの自動排斥、判定画像の保存、品種別・時間別の不良数集計にも対応可能です。
    不良の発生傾向を記録することで、包装機の条件変化や上流工程の異常を把握しやすくなります。

装置寸法

包装機サイズに応じて、差異省スペースにてご提案いたします。

アピールポイント

  1. 目視検査の負荷を軽減
    高速で流れる製品を長時間見続ける作業を機械化し、専任検査員の配置や短時間交代の負担軽減を支援します。
  2. 判定基準を標準化
    作業者の経験、疲労、判断の違いに左右されにくい検査工程を構築し、品質判定のばらつきを抑えます。
  3. 見逃しとクレームのリスクを低減
    全数を一定条件で検査することで、内容物の噛み込みや包装不良の流出リスクを低減します。
  4. 不良画像を改善活動に活用
    判定画像や発生数を保存することで、どの品種、時間帯、包装条件で異常が増えたかを確認できます。検査だけでなく、包装工程の改善にも活用できます。

担当者より

シール不良検査は、カメラやAIを導入するだけでは安定しません。フィルムの反射、袋の膨らみ、内容物の偏り、搬送姿勢などを考慮し、判定しやすい画像を安定して撮ることが重要です。
イシダテックでは、撮像条件の検討から搬送機構、判定ソフトウェア、NG品排斥まで一体で設計します。実際の製品と不良サンプルをお預かりし、検出可能性や既設ラインへの組込み条件を確認したうえで、最適な構成をご提案します。