【目的】
魚体サイズの計測は水産資源評価や水産物の品質管理において重要であるが、人手による計測には多大な労力と時間を要する。
大量の魚類が扱われる漁港や加工現場において全個体のサイズ計測を行うためには、高効率かつ非接触な計測技術の確立が必要となる。
本研究では、魚体サイズの非接触計測手法の構築を目的とし、3Dカメラを用いた冷凍カツオの尾叉長・体高・体幅の非接触計測の有効性を検証した。
【方法】
2024年に静岡県焼津港で水揚げされた冷凍カツオ207個体を対象とした。
1魚体ずつベルトコンベア上に乗せ、3D ToF (Time-of-Flight)カメラ(LUCID Vision Labs, HTP003S-001)により右および左の両側面から撮影するとともに、尾叉長、体高、体幅を定規とノギスを用いて計測した。
3Dカメラにより取得した3D点群データから、尾叉長、体高、体幅を人手により抽出した。計測精度の検証のため、定規とノギスによる手動計測値と3D点群データに基づく推定値との比較を行った。
【結果】
手動による計測値と3D点群データに基づく推定値の平均絶対誤差(Mean Absolute Error: MAE)は、尾叉長が25 cmから75 cmである冷凍カツオに対して、尾叉長で1.43 cm、体高で0.59cm、体幅で0.52 cmであった。
各個体における左右両面の3D点群データに基づく推定値の間のMAEは、尾叉長で1.32 cm、体高で0.53cm、体幅で0.42 cmであった。左右両面からの推定値を平均することで、手動計測値とのMAEは、尾叉長で1.22 cm、体高で0.52 cm、体幅で0.49 cmであった。
これらのことから、3Dカメラを用いた魚体サイズの非接触計測の有効性が示唆された。